【防災知恵袋】火災への心得、これだけは知っておくべき原因と対策

慌てないための防災

平成30年の出火件数は3万7,981件です。
これは1日に換算すると104件の火災が発生した割合になります。

風水害には、ラジオやTV、スマホなどから警報や注意報を知ることができ、
事前に心得ておくことができます。

火災は、自然発火することは少ないので、
他の原因によって引き起こされる2次災害が多いです。

乾燥注意報から火災に注意することで、もし被災した場合に備えておくわけですが、
何に注意しなくてはいけないかを知っておく必要があります。

そのために、火災に関する知識が大切になります。

出火件数が1日に104件にもなる火災に、
どんな原因があるのか、
火災でもっとも怖いものは何なのか

この記事では火災に関する知識や対策などを書いてあります。

火災になる前、火災に遭った場合に役立つ内容になっているので、
ぜひこの機会に火災について意識を高めてみてはいかがでしょうか。
もしかしたらハッとする気づきがあるかもしれません。

参考資料

14 分ごとに 1 件の火災

平成30年の総出火数 37,981 件 、
令和元年の総出火数 37,683 件 となっています。

これはおよそ14分に1件の割合で火災が発生したことになります。

平成29年平成30年令和元年
総出火件数39,373 件37,981 件37,683 件
放火と放火の疑いの合計5,833 件4,761 件4,567 件
(うち放火)(3,528 件)(2,784 件)(2,757 件)
(うち放火の疑い)(2,305 件)(1,977 件)(1,810 件)
タバコ3,712 件3,414 件3,581 件
たき火2,857 件3,095件2,930 件
コンロ3,032 件2,852 件2,918 件
令和元年9月6日令和2年10月15日 消防庁」のデータを引用

火災に至るまでの出火原因

タバコが原因の火災

上の表を見ても分かる通り、タバコが原因で起こる火災の出火件数は、
平成29年から令和元年までのデータの中で一番多くなっています。

代表的な例
  • 河川敷や空き地などにタバコのポイ捨て。
  • ゴミ箱に捨てたタバコの火が消えていなかった。
  • タバコをくわえたまま室内を歩き回り、火種がカーペットなどに落下したのに気づかず、そのまま外出。
対策
  • タバコを吸いながら歩き回らない。
  • タバコはしっかりと消し、水をかける。
  • 布団に寝転がりながら吸わない。

寝タバコは、炎を出さずに燃える「無煙燃焼」が特徴です。

灰皿の近くにペットボトルの水を置き、
吸い殻に水をかけて、確実に消火しましょう。

ペットボトルやカップ麺の空容器などの中に吸い殻を入れたり、
火を消したばかりの吸い殻をゴミ箱に入れるのも、火事の原因になります。

たき火が原因の火災


たき火で多い原因が野焼きです。

代表的な例
  • 乾燥した日に、屋外でたき火をして、風にあおられ、舞った火の粉が燃え移る。
  • 火の不始末。
対策
  • 焚き火台を使用し、周囲に燃えやすいものがないか確認する。
  • すぐに消火できるように、そばに水を用意をしておく。

野焼きは原則禁止されています。

失火(しっか)とは
  • 過失によって火事を起こすこと。
  • 過失によって起こされた火事そのもの。
失火罪とは
  • 過失により出火し、物が焼損したことで成立する犯罪
  • 刑法116条に規定
  • 失火罪の刑事罰は、50万円以下の罰金

失火罪が成立する例として、寝タバコがあげられます。

タバコの火を消さないまま寝てしまい、火災が発生した場合には、過失による出火と認められます。

コンロが原因の火災

コンロの火を消し忘れることが一番多い原因です。

代表的な例
  • 揚げ物の調理中に電話に出て、その場を離れてしまう。
  • コンロを使っていることを忘れて外出。
  • コンロの火が袖に引火。
  • 魚焼きグリルに残った油かすが原因で火災になることもあります。
対策
  • キッチン周りはいつもキレイにしておく。
  • 火を使っているときはコンロから目を離さない。
  • 袖口はまくり、火にかからないように気をつける。
  • 消火器または簡易消火具(エアゾール)を 準備しておく。

電気が原因の火災

日々の生活で欠かせない電化製品。
そこから不注意で火災に繋がるケースもあります。

代表的な例
  • トラッキング現象。
  • 電気コードを束ねたり、たこ足配線にして、電気がショートして発火する。
  • 水槽の水が地震などであふれてコードにかかり漏電し、火災になる。

コンセントのプラグ部分にたまったほこりに湿気などの水分が付着し、そこに電気が流れることで炎が発生する現象

対策
  • ブラグの周りにほこりがたまらないように、掃除。
  • 電気コードは束ねない。
  • 水槽の下に電源コードを置かない。防水カバーをつける。

地震で停電した後、電気が復旧した際に発生する火災を「通電火災」と言います。
阪神・淡路大震災時はこの通電火災が多数発生しました。

通電火災を防ぐには、ブレーカーを落とすことが最優先。

特に避難所に移動する時など、長期的に自宅を留守にする場合は必ず行いましょう。
また、電気ストーブやオーブントースターなどの電化製品は、電源をオフにし、さらにプラグも抜いておきましょう。

地震によって起きる二次災害を防ぐことができます。

火災で最も危険な煙

火災で最も危険なのが煙です。

実際、建物火災での死因は火傷よりも、煙による一酸化炭素中毒や室息のほうが多くなっています。

火災発生時の煙のスピードは速く、一気に上昇し、天井にぶつかり、そして横方向に広がります。
さらに壁にぶつかると下方向に滞留し始めます。

煙には有毒ガスが含まれているので、いかに煙を吸わずに避難できるかが重要になってきます。

部屋で火事が起きてしまった場合、
一目散に窓や扉を開ける行動が取れれば、炎や煙による被害が抑えられます。

火事が起きて、部屋に煙が充満し、一酸化炭素を吸ってしまうと、意識が朦朧(もうろう)とし、身動きが取りにくくなります。

閉め切った状態だと、火の逃げ場がなくなり、激しく燃焼してしまいます。

そのため、火事が起きたら、すぐに窓や扉を開け放って、消火活動はそれから行いましょう。

軽度の一酸化炭素中毒なら新鮮な空気を吸えば回復しますが、重度の場合は歩行障害、抑うつ、精神神経障害、認知機能障害などの後遺症が残ることがあります。

火災の煙が階段をのぼるスピードは人の10倍

煙が階段に流入すると、一気にのぼっていきます。

のスピードは秒速3〜5m
人が階段をのぼる速さは秒速0.3〜0.5m。

階段を使って避難する際は、すみやかに防火扉を閉めて階段スペースに煙を入れないようにすることが重要です。

普段から防火扉の前にものは置かず、いざというときにすぐ閉められる状態にしておきましょう。

火災発生時の消火や避難行動は、 別の記事で書いていますので、
もしよければこちらも読んでみてください。▼

火災についてマトメ

火災の頻度を知ってもらい、どんな出火原因があるのかを説明しました。

そこには少し気を付けていれば火災にならなかったことや、
少し火災への意識を高めれば防げたことがあったかと思います。

ですが、実際に被災してしまった場合は、
煙のスピードや危険性について知っておくことは、避難する際にとても大事な情報です。

この記事が誰かを守れる知識として役立てられたら幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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