【自然災害を学ぶ】台風・集中豪雨・突風、3つの風水害を詳しく説明

想像する防災

主な風水害に取り上げられる台風や暴風雨、これらは積乱雲から発生した自然災害になります。

その自然災害に地球温暖化による影響があり、被害は増加傾向です。

そこで3つの風水害から、どんな特徴があるか、過去にどんな被害があったのかをまとめてみました。

地球温暖化にも触れています。

それぞれの風水害の特徴がどんなものなのか、
どんな被害がでるのか

情報が多いため、浅く広い理解になっていませんか?

この記事には、台風・集中豪雨・突風と分けて、それらに絞り、説明と特徴が書いてあります。

災害報告のリンクもはっているので、過去の災害事例も分かります。

自然災害をイメージできれば、対策の負担軽減や迅速な行動に繋がるのではないでしょうか。

地球温暖化が気になる方や、気温上昇に伴う災害が気なっている方は、
ぜひこの記事を見て頂き、参考にして頂ければと思います。

参考資料

気温上昇により拡大する3つの風水害

  • 台風
  • 集中豪雨
  • 突風

これらは主な風水害に上げられます。

地球温暖化の影響もあり、台風や集中豪雨などの風水害が年々増えています。

平均気温においては、100年当たり1.24°Cの割合で上昇しています。

気温上昇によって予想される影響
  • 21世紀末の平均気温は上昇
    猛暑日、熱帯夜の日が増えて冬日が減る
  • 土砂降りの発生頻度と短時間での雨の強さは増加するが、雨の日は減る
    雨量は増えるが、雨の日は減る
  • 雪の降積が減る
    雨になることが増える
  • 21世紀末の日本沿岸の平均海面水位は上昇
    台風は強まる
  • 1902~2010年の間に約0.16 m上昇
  • 2006~2015年の間の上昇率は、約3.6 mm/年

文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」概要版(PDF形式: 3.14MB) より

台風の勢力が強大化して風水害の拡大

赤道付近では海面水温が高いため、
湿った暖かい空気が上昇気流を作り、
積乱雲を発生させます。

発生した積乱雲が集まって渦を巻き、熱帯低気圧になります。
大気の状態が不安定だと、積乱雲がより発達しやすくなります。

台風とは、風速が17m/sを超えたものを呼びます。

上空には冷たい空気
地上には温かい空気がある状態。

冷たい空気は重いので下降し、
暖かい空気は軽いため上昇します。

  1. 【水蒸気】
    太陽の熱で、海面が温められ水蒸気が発生します。
  2. 【上昇気流】
    暖かく湿った空気は上へ昇るため、上昇気流が発生します。
  3. 【雲】
    上空には冷たい空気があるため、
    冷やされ水蒸気は水や氷の粒になり雲を作ります。
  4. 【雷】
    氷の粒は、雲の中でぶつかり合って大きくなります。
    ぶつかることで静電気がおき、雷が発生します。
  5. 【雨】
    氷の粒が大きくなると落下して、雹(ひょう)や雨になります。

台風は、海からの熱と水蒸気を受けて強まります。

そのため気温が上昇することで、台風の勢力は増します。

他にも、このまま気温が上昇し続けると、以下のことが予想されます。

  • 強い勢力を保ったまま日本に上陸する。
  • 降水量・平均風速ともに強まる。
  • 太平洋側に非常に強い熱帯低気圧が増える。

夏の台風の特徴

夏は、太平洋高気圧に覆われているので、
高気圧の縁を沿って北上する台風は、日本列島へはあまり上陸しません。

太平洋高気圧の上を吹く偏西風までたどり着かないため動きが遅く、
同時期に発生した台風の影響にもよって進路は複雑です。

「日本に上陸した台風」
>台風の中心が北海道、本州、四国、九州の海岸線に達した場合。

「日本を通過した台風」
小さい島や半島を横切って短時間で再び海に出る場合。

気象庁 台風の上陸数」より

秋の台風の特徴

太平洋高気圧の勢力が弱まるため、高気圧の縁を通って北上する台風は、
日本列島を直撃しやすいです。

秋は偏西風が南下しているため、 太平洋高気圧の縁に沿って北上する台風は偏西風の影響を受け、加速します。

夏の台風に比べ、本州付近を進むスピードが速くなります。

台風が近づくと、地上付近では中心に向かって反時計回りに強風が吹きます。

台風の右側では、風速とともに台風の移動速度も加わわり、強風になります。

台風が通過した後に、風向きが反対の強い風が吹いてきます。

伊勢湾台風

1959年 9月26日~9月27日

  • 死者4,697名
  • 行方不明者401名
  • 負傷者38,921名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(昭和20~63年)>伊勢湾台風」から引用

平成23年 台風第15号

2011年 9月15日~9月22日

  • 死者19名
  • 行方不明者1名
  • 負傷者425名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)>台風第15号による暴風・大雨 」から引用

平成25 台風第26号

2013年 10月14日~10月16日

  • 死者40名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者130名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)>台風第26号による暴風・大雨」から引用

平成30年 台風第21号

2018年 9月3日~9月5日

  • 死者14名
  • 行方不明者0名
  • 負傷者951名(重症46名、軽傷894名、程度不明11名)

情報元「内閣府ホーム>内閣府の政策>防災情報のページ>災害情報>平成30年台風第21号に係る被害状況等について(平成30年10月2日17:00現在)(PDF形式:557KB)

令和元年 台風第19号

2019年 10月12日~10月13日

  • 死者104名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者384名(重症43名、軽傷341名)

情報元「内閣府ホーム>内閣府の政策>防災情報のページ>災害情報>令和元年台風第19号等に係る被害状況等について(4月10日9:00現在)(PDF形式891.3KB)

集中豪雨の多発で風水害が増える

集中豪雨やゲリラ豪雨「局地的大雨」の発生は、台風と同じく積乱雲から発生します。

非常に狭い範囲で雨が降るため、予測が困難です。

集中豪雨・局地的大雨(ゲリラ豪雨)の説明

  • 集中豪雨
    >同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨。
  • 局地的大雨
    >急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨。
  • ゲリラ豪雨
    >局地的大雨、集中豪雨など。
災害範囲時間降水量
集中豪雨 同じような場所で 数時間 100mmから数百mm
局地的大雨 狭い範囲に 数十分の短時間 数十mm程度
(文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」)から引用
平成30年7月豪雨(前線及び台風第7号による大雨等)

2018年 6月28日~7月8日

  • 死者224名
  • 行方不明者8名
  • 負傷者459名(重傷113名、軽傷343名、程度不明3名)

情報元「気象庁>平成30年7月豪雨

平成29年7月九州北部豪雨

2017年 7月5日~7月6日

  • 死者39名
  • 行方不明者4名
  • 負傷者35名(重症9名、軽傷26名)

情報元「総務省消防庁>特集1 平成29年7月九州北部豪雨の被害と対応」より引用

平成24年7月九州北部豪雨

2012年 7月11日~7月14日

  • 死者30名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者34名

情報元「気象庁>平成24年7月九州北部豪雨

停滞前線・線状降水帯の説明

上空の暖気と寒気の境目が地表に接しているところには、前線が発生します。

梅雨前線や秋雨前線は、ほぼ同じ位置にとどまるので停滞前線になります。

線状降水帯は、ほぼ同じ場所を通過、または停滞して雨を降らせます。
50~300㎞程度、幅20~50㎞程度の線状の範囲で、猛烈な雨が数時間にわたって降ります。

令和元年8月の前線に伴う大雨
  • 死者4名
  • 負傷者2名(重傷1名、軽傷1名)

情報元「総務省消防庁>令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応

平成29年7月九州北部豪雨

2017年 7月5日~7月6日

  • 死者39名
  • 行方不明者4名
  • 負傷者35名(重症9名、軽傷26名)

情報元「総務省消防庁特集1 平成29年7月九州北部豪雨の被害と対応」より引用

積乱雲がつくる突風から拡大する風水害

発達した積乱雲により起こる上昇気流や下降気流から、
竜巻やダウンバースト、ガストフロントなどの突風が発生します。

また、晴れた日は、じん旋風(地表付近で温められた空気が上昇して起こる突風)に注意が必要です。

豪雨災害が増えることで、突風の被害も増えるという事になります。

  • ダウンバースト >積乱雲からの下降気流が地表に衝突して強烈に広がる突風。
    (詳しくはこちら >気象庁/竜巻などの激しい突風とは
  • ガストフロント >積乱雲からの冷たい下降気流が周囲の暖かい空気と衝突して、突風や上昇気流を生み出す。
    (詳しくはこちら >気象庁/竜巻などの激しい突風とは
  • じん旋風 >地表付近で温められた空気が上昇して起こる突風・渦巻き

発達した積乱雲は、竜巻やダウンバースト、ガストフロントなどの突風を伴います。
また、晴れた日中は、じん旋風に注意が必要です。

気象庁のサイトから突風に関する災害事例の一部を抜粋しています。

発生日時 発生場所 資料

2021
10/04

北海道
上川郡東川町・旭川市・上川郡東神楽町
現地調査の報告(令和3年10月5日)

2021
8/30

茨城県
古河市・結城郡八千代町・常総市・下妻市
現地災害調査報告(令和3年11月2日)

2021
8/30

栃木県
大田原市
現地調査の報告(令和3年8月31日)
気象庁>最近発生した事例一覧(速報)より抜粋

3つの風水害のマトメ

主に台風・集中豪雨・突風と、3つの風水害があります。

気温が上がると、次のような影響が出ます。

気温上による影響
  • 雨が増える
  • 海水面が上がる
  • 水蒸気が増える

水蒸気から積乱雲が発生、渦を巻き集まって熱帯低気圧になります。

風速が17m/sを超えると台風と呼ばれ、水蒸気を受けて発達します。

夏と秋の台風

夏の台風

  • 日本列島にあまり上陸しない
  • 遅い
  • 進路が複雑

秋の台風

  • 日本列島を縦断することが多い
  • 偏西風に乗って加速
  • 台風の右側は風が強い

そして集中豪雨も台風と同様に積乱雲によって発生します。

豪雨関連
  • 集中豪雨
    >同じところで数時間強く降る雨
  • 局地的大雨
    >急に短時間に降る雨
  • 停滞前線
    >ほぼ同じ位置にとどまる前線
  • 線状降水帯
    >線状の範囲で、猛烈な雨が数時間降る

発達した積乱雲により起こる
上昇気流や下降気流から突風が発生します。

突風
  • ダウンバースト
  • ガストフロント
  • じん旋風

どれも積乱雲が原因で、積乱雲は気温の上昇で発達していきます。

自然災害を無くすことはできませんが、
地球温暖化を意識することで、地球にやさしい防災ができるのではないでしょうか。

燃やすゴミを減らせば、輸送と焼却で発生する温室効果ガスを減らすことができます。

物を製造すると温室効果ガスが発生します。
使い捨てをやめ、物を大切に長く使うことで温室効果ガスの発生を抑えることができます。

自宅の電気を再生可能エネルギー(風力・太陽光)に変えることや、地産地消、日常生活で食品の廃棄を減らすなどなど、

地球温暖化を心掛けておくと減災になっていくのかと思っております。

今回の記事を参考にして頂ければ嬉しいです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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