【防災知恵袋】風水害を軽減するための対策。過去の事例や取るべき行動をまとめて解説

想像する防災

年々被害が大きくなっている自然災害。
その原因の一つに地球温暖化があります。

一時的に気温が下がってしまうこともありますが、長期的にみると温暖化は進んでいます。

特に豪雨による被害をみると顕著に現れています。

今回の記事は、風水害に関する情報を集めました。

  • 風水害に対して、何に気を付けなくてはいけないのか
  • どんなものを準備しておけばいいのか
  • そもそもどんな被害が起こるのか

備えてあっても、災害に対してぼんやりしたイメージだったりしませんか?

ここでは、地球温暖化にも触れつつ
何に注意するべきか
何を準備すればいいのか

この記事を読んで頂ければ、豪雨に関する知識を得られ、非常時の備えに参考になります。

天気予報などで分かる降水量や雨量、風速などを詳しく説明されたリンク先も貼ってあります。

災害情報から適した判断ができ、身の安全の確保に役立ててみてはどうでしょうか。

参考資料

気温上昇により拡大する4つの風水害

台風の勢力が強大化

台風の被害は拡大しています。

地球温暖化の影響もあり、勢力が増し、長期化する傾向にあります。

伊勢湾台風

1959年 9月26日~9月27日

  • 死者4,697名
  • 行方不明者401名
  • 負傷者38,921名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(昭和20~63年)>伊勢湾台風」から引用

平成23年 台風第15号

2011年 9月15日~9月22日

  • 死者19名
  • 行方不明者1名
  • 負傷者425名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)>台風第15号による暴風・大雨 」から引用

平成25 台風第26号

2013年 10月14日~10月16日

  • 死者40名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者130名

情報元「気象庁>災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)>台風第26号による暴風・大雨」から引用

平成30年 台風第21号

2018年 9月3日~9月5日

  • 死者14名
  • 行方不明者0名
  • 負傷者951名(重症46名、軽傷894名、程度不明11名)

情報元「内閣府ホーム>内閣府の政策>防災情報のページ>災害情報>平成30年台風第21号に係る被害状況等について(平成30年10月2日17:00現在)(PDF形式:557KB)

令和元年 台風第19号

2019年 10月12日~10月13日

  • 死者104名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者384名(重症43名、軽傷341名)

情報元「内閣府ホーム>内閣府の政策>防災情報のページ>災害情報>令和元年台風第19号等に係る被害状況等について(4月10日9:00現在)(PDF形式891.3KB)

集中豪雨が多発

集中豪雨による被害は拡大しています。

局地的大雨「ゲリラ豪雨」は予測しにくいため、備えておくことが難しいです。

短時間に危険な降水量を観測する場合もあります。

平成30年7月豪雨(前線及び台風第7号による大雨等)

2018年 6月28日~7月8日

  • 死者224名
  • 行方不明者8名
  • 負傷者459名(重傷113名、軽傷343名、程度不明3名)

情報元「気象庁>平成30年7月豪雨

平成29年7月九州北部豪雨

2017年 7月5日~7月6日

  • 死者39名
  • 行方不明者4名
  • 負傷者35名(重症9名、軽傷26名)

情報元「総務省消防庁>特集1 平成29年7月九州北部豪雨の被害と対応」より引用

平成24年7月九州北部豪雨

2012年 7月11日~7月14日

  • 死者30名
  • 行方不明者3名
  • 負傷者34名

情報元「気象庁>平成24年7月九州北部豪雨

長期化する停滞前線・線状降水帯

停滞前線により雨が降っている時間が長期化します。

発達した雨雲が連なった線状降水帯が形成されると、
猛烈な雨が数時間にわたって降り続けます。

令和元年8月の前線に伴う大雨
  • 死者4名
  • 負傷者2名(重傷1名、軽傷1名)

情報元「総務省消防庁>令和元年8月の前線に伴う大雨の被害と対応

平成29年7月九州北部豪雨

2017年 7月5日~7月6日

  • 死者39名
  • 行方不明者4名
  • 負傷者35名(重症9名、軽傷26名)

情報元「総務省消防庁特集1 平成29年7月九州北部豪雨の被害と対応」より引用

積乱雲がつくる突風

豪雨災害の要因に積乱雲があります。

積乱雲により起こる上昇気流や下降気流から突風が発生します。

豪雨災害が増えることで、突風の被害も増えるという事になります。

4つの風水害については、他の記事で書いています。
もしよければこちらも見てみてください。▼

危険な降水量と風速を知ることで、風水害を最小限にする対策

雨量から風水害のリスクを避ける

降水量は、人によってリスクが異なります。

自分はどのレベルで避難を考えるのか、
またどんな行動をとるべきなのか、
天気予報などの情報から適切な行動をとれるようにしましょう。

気象庁の「雨の強さと降り方」から抜粋した表です。

1時間の雨量予報用語イメージ
10~20ミリやや強い雨ザーザー
20~30ミリ強い雨どしゃぶり
30~50ミリ激しい雨バケツをひっくり返したように降る
50~80ミリ非常に激しい雨ゴーゴー・滝のよう
80ミリ~猛烈な雨恐怖を感じる
こちらから引用>リーフレット ダウンロードファイル [PDF形式: 1.9MB]

参考動画「【tenki.jp雨の降り方動画】激しい雨(30ミリ以上50ミリ未満)

風の強さから風水害リスクを軽減

気象庁の「風の強さと吹き方」から抜粋した表です。

おおよその時速予報用語人への影響
秒速10~15メートルやや強い風風に向かって歩きにくい
傘がさせない
秒速15~20メートル強い風風に向かって歩けない
転倒する人もいる
秒速20~30メートル非常に強い風何かに掴まらないと立っていられない
飛来物もある
秒速30メートル~猛烈な風屋外での行動は危険
こちらから引用>リーフレット ダウンロードファイル [PDF形式: 1.9MB]
窓ガラスの飛散対策で、風水害を軽減する

強風によって飛ばされたもので、 窓が割れ、破片が周囲に飛び散る場合があります。

雨戸やシャッターを閉めておくことが出来れば、防ぐことが出来ますが、
無い場合は窓に養生テープや窓用飛散防止シートなどを貼っておくと被害を軽減できます。

風水害で起こり得る浸水被害への対策と心得

土のう で浸水被害を軽減する

道路からの雨水を防ぐために「土のう」を使って防ぐ方法があります。

砂、または土を土のう袋に詰めて、段積みにして浸水を防ぐ方法です。

手間が掛かってしまいますが、浸水を防ぐ有効な手段です。

用意する物
  • 土のう袋
  • 土、砂

浸水被害の恐れがある地域では、土のうを配布するサービスがあります。

「土のう 配布」で検索すると各自治体のホームページから情報が得られます。

水のう で浸水被害を軽減する

ゴミ袋を2重にして、水を半分ほど入れて縛れば「水のう」ができます。

水を入れたゴミ袋を段ボールに入れて、ブルーシートでくるむ方法です。

用意する物
  • 45Lほどのごみ袋
  • 段ボール
  • ブルーシート

土のうと水のうの作り方は別の記事で説明していますので、もしよければ見てみてください。▼

雨水桝をふさがない

浸水被害を軽減するために、心得ておきたい事もあります。

雨水桝を塞いでしまうと、道路上に雨水が溜まってしまいます。

落ち葉やゴミで埋まってしまっていたら、掃除しておくことが大事です。

側溝を掃除しておく

雨で滑り落ちた土や、落ち葉や枯れ木などで側溝が埋まることがあります。

側溝が埋まると、道路上に雨水が溜まってしまうので、浸水の原因になります。

個人で掃除することも良いですが、地域で定期的に掃除できることが望ましいです。

「風水害」冠水したときの心得

風水害の影響で、家の周りが水浸しになってしまうような場合、
水は下水並みに汚れています

生ごみが浮いていることもあるので、可能であれば水に触れないことが好ましいです。

とはいえ、屋外にいる状況も考えられます。

  • 皮膚が露出した格好はやめましょう。
    傷口がある場合は、雑菌が入ってしまい、破傷風になるかもしれません。
  • 歩行する場合は、傘や長い棒などで足元を確認しながら歩くようにしましょう。
    マンホールが外れていて、落ちてしまうことがあるかもしれません。
  • 道路から水が吹き出していたら、マンホールのフタが外れています。
    気を付けるポイントになります。
  • 長靴を履くのは、やめておきましょう。
    水が入ってしまうと重くなり、動きづらくなります。

車で走行中、道路の水の深さが分からない場合があります。

タイヤの半分まで水に浸かるようなら危険です。

運転をやめるか、可能なら高台に避難しましょう。

もし、いつの間にか浸水して動けなくなってしまった場合は、脱出できるように窓を開けておきましょう

その際、間違ってもエンジンをかけないようにしてください。

エンジンの故障の原因や、火災の原因になります。

拡大する風水害への対策と行動

風水害から起こる2次災害を防ぐ停電対策

自然災害の影響から停電になってしまうことがあり、場合によっては長期化します。

灯りの備えは重要ですが、火災といった二次災害に繋がることも考えておく必要があります。

  • ブレーカーを落とす。
  • 夏場の熱中症対策

風水害避難のタイミングと取るべき行動

自分が適切な行動をとるためには、迅速な判断が必要となります。

判断材料となる気象情報から、とるべき行動が記述された表が、気象庁HPにあります。

簡略化した表とリンク先を載せておくので、参考にしてください。

気象庁HPから簡略化した表がこちらです。▼

 

情報

とるべき行動

警戒レベル

5
  • 大雨特別警報
  • 氾濫発生情報
  • 命の危険 直ちに安全を確保
    すでに安全な避難ができず、命が危険な状況。
    今いる場所よりも安全な場所へ直ちに移動する。
警戒レベル5相当
4
  • 土砂災害警戒情報
  • 氾濫危険情報
  • 高潮特別警報
  • 高潮警報
  • 危険な場所からの全員避難
    過去の重大な災害の発生時に匹敵する状況。
    この段階までに避難を完了しておく。
警戒レベル4相当
3
  • 大雨警報
  • 洪水警報
  • 氾濫警戒情報
  • 危険な場所から高齢者等は避難
    高齢者等以外の方もキキクル(危険度分布)などで、
    自ら避難の判断も必要
警戒レベル3相当
2
  • 大雨注意報
  • 洪水注意報
  • 高潮注意報
    (警報に切り替える可能性ではないもの)
  • 自らの避難行動を確認
    ハザードマップなどにより、自宅等の災害リスクを再確認するとともに、避難情報の把握手段を再確認する。
警戒レベル2相当
1
  • 早期注意情報
  • 災害への心構えを高める
警戒レベル1

引用先はこちらになります。▼
気象庁 >「防災気象情報と警戒レベルとの対応について

風水害時の生活用水について

風水害を軽減するために「生活用水の確保」

災害時に水道管や排水管の損傷などで断水する場合があります。

その場合、生活用水にお風呂の残り湯を使うことができます。

浴槽に残しておけば、非常時に生活用水として使えるため、ポリタンクなどを用意しておくと良いです。

水を節水する方法をこちらの記事で紹介しています。
もし良ければ参考にしてみてください。▼

大雨の時の排水によって、下水の逆流が発生

大雨の時の排水によって、下水の逆流が発生する場合があります。

台風や局地的大雨によって配水管が一杯になり、下水が逆流する恐れがあります。

そのためお風呂や台所などの排水を控えてください。

もし逆流する場合は水のうで排水溝を塞いでおくと防ぐことが出来ます。

こちらのサイトからの引用しています。▼
 小平市ホームページ>「台風や大雨時は、お風呂や洗濯などの排水をお控えください

風水害対策のまとめ

気温上昇に伴い拡大する風水害には、さまざまな現象があります。

そこで、降水量や風の強さがどの程度のものか、そこに対して適切な行動をとれるように、
それぞれの強さを表にまとめました。

風水害の中には、浸水被害があります。

その対策と心得を紹介しました。

今回の記事で、風水害に対策をとれるように考えてピックアップしてみました。

状況や環境、身体において対策を考えると、まだ不十分かもしれませんが、風水害を軽減できればと思っています。

少しでも自分自身や、周りの人への手助けに繋がることが出来れば幸いです。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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